いつか娘に、胸を張って言いたい。
「新しいメモリ技術に
自分が関与している」ことを。

Customer response technology /
evaluation analysis Technology Development

Yuji Yoshida

吉田 裕司

顧客対応技術・評価解析技術開発
2009年度入社/電気電子工学専攻

立体構造で解析する難題に挑む

三次元メモリデバイスの開発では、不良解析は不可欠な工程です。私は、TEMトモグラフィ(Transmission Electron Microscope Tomography)やDual Beam FIB(Focused Ion Beam)などの三次元解析技術の開発と展開を担当しています。

半導体デバイスの三次元化が進むにつれ、従来の二次元解析だけでは不良の原因を特定できないケースが増えています。つまり、二次元では平面の板状で見えていたものが、何層にも重なった立体構造になったことで、見えない部分が多くなりました。文字通り、これを三次元的に解析できれば、高精度な結果を把握することができます。従来は、積まれた層と層の間に欠陥があることまでは解明できても、具体的な場所までは絞り切れませんでした。この解析技術は、それを可能にした訳です。私たちの部署では、社内のコア技術を結集し、世界トップレベルの三次元解析技術の開発・展開を行っています。

解析技術の開発は、試行錯誤の繰り返し

大学時代の研究から、私は入社時にプロセスインテグレーションの技術開発を希望し、2~3年担当していました。その後、解析部門を新設する「解析センタープロジェクト」に参加することになりました。四日市工場では解析工程が他に分散していたこともあり、解析技術の向上のためにセンターをつくることになったのです。
三次元解析技術の開発に向けては、トライ・アンド・エラーの繰り返しでした。サンプルづくり、画像抽出、装置選択などを経て、社内技術にて世界トップレベルの三次元解析技術の開発にこぎつけました。ゼロからのスタートだったので、学会活動を通じてメーカ各社様や大学の研究室にも協力を打診しながら試行錯誤していきましたが、難題が一つひとつ解明されていくとやりがいも増していきます。特に大学は、超高圧電子顕微鏡などの特殊な装置を持っていますので、さまざまな試験でご協力いただきました。この仕事を通じてさまざまな分野の方と交流できたことは、何よりも貴重な経験だったと思います。

スキルアップのために、
大学の講習に1年間参加

四日市工場は世界トップクラスの開発・製造拠点です。ここでは、先輩技術者から吸収することが多々あります。工場内では、みんなが世界と闘うプロの目つきになっています。専門性の範囲が広く、世界をリードする半導体メモリ技術の力強さを感じます。
入社した頃は、先輩たちに自分の知識が追い付けるか不安でしたが、学歴に関係なく団結心で仕事をしている姿を毎日見ていると、先輩に追いつけ、追い越せという気概が芽生えてきます。インテグレーションの知識を解析にも活かすように言われた時、上長の提案で大阪大学主催の物理解析技術教育に約1年間参加しました。このように、私の場合、知識の不足を補う研修を受講できたことも成長の一助になっています。
メモリデバイスの進化は今後もさらに進んでいきます。5〜10年後は、記憶方法自体が異なる製品の試作に取り組んでいることでしょう。そこでは、必ず新しい解析手法が必要になってきます。蓄積した経験と知見を発揮するために、努力していきます。いつか子どもに、胸を張って言いたいですね。新しいメモリ技術に自分が関与していることを。

私が当社を選んだ理由

大学では半導体関係の研究をしていたので、就職先は半導体メーカを希望。就職活動を進める中で、当社はメモリ事業の技術、投資、設備などの面で世界を牽引し、世界トップレベルの技術を保持していました。特に、四日市工場への設備投資に勢いを感じたことが志望の理由です。

学生のみなさんへ

四日市工場のすばらしさは、技術者として参考になる人が多く、一緒に仕事ができる点です。まさに、自分も学べてステップアップできる環境です。また、周囲の理解があり、新しいことに挑戦しやすい環境でもあります。未来のメモリに向けて、一緒に新しい技術に挑戦しませんか。



掲載日/2016年2月29日 ※所属・役職・仕事内容は掲載当時のものです

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