世界最大級のスマートファクトリーを
実現するべく、ものづくりの未来に挑む。

System / Software /
Circuit Design Technology Development

Koki Tada

多田 光輝

システム・ソフトウェア・回路設計技術開発
2005年度入社/電気工学専攻修士了

最先端のITの力で、ものづくりの
プロセスを、いかに革新できるか。

デジタルトランスフォーメーション技術研究開発センター(以下DXC)は、メモリ製造工場のスマートファクトリー化に的を絞ったR&Dを推進している戦略部門です。2018年に発足した新しい組織で、人や物の動きをセンサで捉えるIoTなど最新の機器・システムを活用すると同時に、そこから得られるビッグデータの解析を通して、最も効率的なものづくりのプロセスを企画・提案。AIやロボティクスなどの適用を含め、最先端のITを駆使してスマートファクトリー実現への道筋をつけるミッションを担っています。

私は2005年に入社して以来、HDDやSSDなどストレージ機器の製造システム技術を手がけてきました。主に海外の工場と二人三脚で、検査システムの開発・導入、製品出荷システムの企画・開発、工場内データ集約/集計システムの開発・運用などを担当し、さらに近年、月産数百万台規模の大量生産をビッグデータで効率化するBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを全社に展開するといった、より総合的なシステム構築に携わってきた経験をベースに、DXCのスターティングメンバーとして可能性に満ちた研究活動に打ち込んでいます。

北上新工場の量産開始に向けて、
現場からのソリューションを探究。

2019年秋、岩手県北上市にキオクシアの新工場が完成しました。2020年に量産を始める予定で、稼働中の四日市工場と合わせると、生産能力は大幅に拡大します。この北上新工場の量産開始に向けて、製造プロセスの最適化を図る取り組みが、今の私の大きなテーマです。もちろん、自動化や省人化、ビッグデータやAIの活用など、四日市工場の知見・経験は十分に活かされていますし、新たな創意工夫も随所に組み込まれています。そのうえで、新工場の立ち上げという絶好の機に、いかにスマートファクトリーの進化した姿を具現化し、それを四日市工場にも展開していくか。またとないチャンスだと思って全力を尽くしているところです。

メモリ工場では24時間365日、延べ何千人ものメンバーが生産活動に従事しています。データだけを見ていても、背景や課題は分かりません。私は毎週2~3日、四日市と北上の両工場に足を運び、IT、プロセス技術、製品技術など全部門のスタッフと熱く議論し、「現状、どのようなやり方をしているのか」「なぜそうしているのか」「作業のボトルネックはどこにあるのか」といった現場の生の声に耳を傾けつつ、新しい方法や仕組みを考えて提案し、実行・検証するPDCAのサイクルを回しながら、より良い解決策を導き出そうとトライアルを重ねています。

人も機械もしっかり活躍できる
工場のあり方を追求したい。

まだプロジェクトの途中でもあり、詳しくは話せませんが、私がイメージしているのは「人と働き方の多様化が進むなか、いろいろな年齢や属性の人が、いろいろな働き方を実現できる工場」です。スマートファクトリーというと、機械や設備やシステムに目が行きがちですが、大事なのは「ものづくりの効率化」であり、その鍵は「人の働き方」にあると、私は長年、製造業の現場を見てきた経験から確信しています。

例えば、メモリ工場の搬送系では、ほぼロボットが物を運んでいます。でも、作業する人はゼロにならないどころか、まだ大人数が働いているのです。そこで人と機械の動き方や関係を分析して業務プロセスを見直し、機械的な判断を要する作業はロボットとAIに任せてエラーを減らし、人は人手に適した作業に携わるようにすれば、人も機械もしっかり活躍できるようになる…と、あくまでも一例ですが、工場の将来像を描いています。

スマートファクトリーとは、「製造技術と人とITの組み合わせ方」であると私は考えます。この3つをいかにきれいにデザインするか。10年後20年後のテクノロジーへの長期的な視点を持ちつつ3~5年先の実用を目指して、世界の名だたる競合に勝つための「キオクシア流スマートファクトリー」を実現していく。正解はひとつではないからこそ、オリジナルの答えを出したい。北上工場の操業を真にスマートな軌道に乗せて、DXCの存在価値を高めようとチャレンジしています。

私が当社を選んだ理由

学生時代、趣味でPCを自作していて、記憶・記録媒体に興味を持ちました。他のパーツは交換できても、「データを貯める機器は、代えが効かない。断トツに重要だ」と実感し、きっと将来「人が生まれてから死ぬまでのデータが、指先サイズのストレージに収まる時代が来る」と考えたのです。自然に、ストレージのHDDやSSD、記録素子のNAND型フラッシュメモリに関わりたいと思うようになって、当社を志望しました。

学生のみなさんへ

キオクシアはフラッシュメモリで世界2位のシェアを占めており、わが国製造業の海外シフトが進むなか、ずっと国内生産にこだわって、グローバルスケールのものづくりを繰り広げているメーカーは、当社の他にはないと言っていいでしょう。それだけ誇りを持って大きな仕事を成し遂げられるフィールドであり、しかも生産規模は拡大の一途をたどっていますから、大規模かつ先進的なものづくりに関心のある多数の皆さんに、ぜひ注目してほしいと期待しています。



掲載日/2020年3月31日 ※所属・役職・仕事内容は掲載当時のものです

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